東アジア国際言語学会2021年1月月例会の案内

東アジア国際言語学会会員各位

 新年明けましておめでとうございます。

 本年も昨年同様ご支援、ご協力賜りますようお願い申し上げるとともに、本年が本学会ならびに会員みなさまにとりましてすばらしい一年となりますようお祈り申し上げます。

 本年最初の月例会の準備が整いましたので、下記の通りご案内申し上げます。

 今回より、試みと致しまして参加者の皆様が気軽に情報交換できる「サロン」として活用頂けるよう「ブレイクアウトルーム」を設けます。ご参加頂いた会員のみなさまを「共同ホスト」に指定することで、「ブレイクアウトルーム」への出入りが自由に行えるようになります。相互に「チャット」で連絡を取り合い、「ブレイクアウトルーム」に入室し、発表とは別の「空間」を共有することが可能となります。2月に開催されます総会の予行演習も兼ねて、実験的に実践してみようと考えておりますので、試行頂けると幸いです。

 奮ってのご参加をお願い申し上げます。

月例会担当 大島吉郎
期日
1月23日(土)
時間
午後6時から8時(日本時間)
発表者
単艾婷(西南学院大学言語教育センター)
テーマ
よりオーセンティックな中日翻訳の実現を目指して
―散文翻訳課題の分析とその応用可能性―
開催方式
Zoomミーティング
URL:https://zoom.us/j/95312189138?pwd=K1oyRkk2blJveUZiaGRTWVpYUGxJUT09
ミーティングID:953 1218 9138
パスコード:035566

要旨

 「翻訳する」ということは、起点テクストに内包される意味を正確に把握し、目標テクスト上に等価に表現する行為であり、起点テクストの解釈と目標テクストの訳語の創造が一体となってはじめて成立するものである。そして、この「解釈」と「訳語の創造」が両立してこそ、よりオーセンティックな翻訳を実現できると考えられる。本発表では、日本人中国語上級学習者の散文翻訳課題(起点テクスト:林清玄 ≪雪的面目≫)の産出物を研究対象とし、産出物(翻訳文=目標テクスト)中の「誤訳が共通して認められる箇所」および「翻訳に個人差が認められる箇所」の傾向と原因を、「語・句」「文法・構文」「語用」の三つの観点から分析した結果について報告する。また、それらを新たな読解教育カリキュラムの構築やテクスト言語学における理論構築にフィードバックするための予察的な提言を行う。

 

東アジア国際言語学会2020年12月月例会の案内

東アジア国際言語学会会員各位

 下記要領の通り、12月月例会を開催致したくご案内申し上げます。会員の皆様の参加をお願い申し上げます。

月例会担当 大島吉郎
期日
2020年12月19日(土)
時間
18:00~20:00(終了後、20分程度情報交換の時間を設けます)
開催方式
Zoom
https://zoom.us/j/96377404749?pwd=ZkJLall5bVc5SEs2SkxCMU9QZUphZz09
ミーティングID: 963 7740 4749
パスワード: 395836
発表者
清華大学 范寛 氏
題目
空間的場所※①を表す「に」と「で」のメカニズム
―「池に金魚が泳いでいる」を出発点に―
キーワード
空間的場所、「に」、「で」、メカニズム

注:※①本稿では、対比になる空間的場所は、指向性を含意した着点を除外し、動作や出来事などが成り立つ場所である。

要旨

 場所を表す「に」と「で」の区別研究は長い歴史がある(神尾(1980)、奥田(1983)、赤羽根(1987)、中右(1998)、定延(2004)、佐野(2013)等)。ただし、場所の意味用法を検討する時、「池に金魚が泳いでいる」や「町に川が三本流れている」のような文にあまり言及していないことが観察できる。述語動詞が動作や作用の場合、格助詞「で」により場所を表すとよく考えられているが、上の文ではなぜ「に」が使われているのかを解明したいことが本稿の出発点になった。

 なぜ「で」ではなく、「に」であるかを解明するには、「に」と「で」は各自でどんな場所を表すかを明確にするのが第一歩であろう。「に」は存在の場所を表すが、「で」は動作や作用の行われる場所を表すという通説のほか、神尾(1981)では、「に」は述語句と直接結びついた位置の指定を行い、「で」は文全体と結びついて述語句の表す動作、出来事、事態などの生ずる背景となる場所を指定するという相違を持つと主張している。奥田(1983)と中右(1998)等も類似した見方をとっている。また、神尾(1980)と中右(1998)では、場所を表す「で」は偶然的で、たまたまその場所で成り立つが、他の場所もありうるという含みを持っているが、「に」は他の場所が考えられないという語彙的な区別があると指摘した。本稿では、述語動詞が一種の運動であるが、空間的場所を「に」で表す文も考慮に入れ、通説と神尾説(神尾説をはじめ、奥田説と中右説なども含め)の適当性をロジック的に論証し、「に」と「で」の各自の特徴を再検討してみた。

 今の段階の研究によって、以下のような結論に辿り着いた。

  1. デ格全体が偶然的な場所とは言えないし、ニ格が定まった場所とは限らないので、「偶然的」対「必然的」というような語彙的な区別が顕著的に見えない。
  2. 場所格と述語動詞の結びつきの強さは明確に分断できるのではなく、度合いの連続 性がある。
  3. 「に」が存在の場所を表すことは「池に金魚が泳いでいる」のような文の中でも成立している。
 

東アジア国際言語学会 2020年11月月例会のご案内

東アジア国際言語学会会員各位

 下記要領にて11月月例会開催の運びとなりましたので、ご案内申し上げるとともに、ご参加のほどお願い申し上げます。

月例会担当 大島吉郎
日時
11月14日(土)18:00~20:00
方式
Zoom会議
URL
https://zoom.us/j/92429006771?pwd=eGZuZDBMdmJscElEajRveUxGeFZXUT09
ミーティングID
924 2900 6771
パスコード
840929
発表者
胡春艶(大東文化大学大学院)
発表テーマ
『紅楼夢』におけるAA型形容詞重畳式について

発表要旨

 『紅楼夢』は明清時代を代表する白話小説であり、前八十回は曹雪芹の作、後四十回は後人の補作とされる。この小説は、賈宝玉と林黛玉の悲恋を中心に、多彩な人間像、当時の生活を詳細に描くことから、中国封建社会の百科事典とも称される。『紅楼夢』における形容詞重畳式は豊富かつ多様な形式が用いられる。同書は北京官話及び、当時の北方社会における言語の実態を反映している。本発表では、『紅楼夢』前八十回を言語資料として、その形容詞重畳式を整理し、AA型形容詞重畳式を中心に網羅的な統計分析を行い、語構成、文成分および文法意味を考察することで、『紅楼夢』におけるAA型形容詞重畳式の使用状況及び特徴を明らかにする。

 

東アジア国際言語学会 2020年10月月例会のご案内

会員各位:

 下記要領にて十月月例会を開催致したく存じます。レジュメは当日、Zoomのチャット機能を使いダウンロードできるように致します。奮ってのご参加をお願い申し上げます。

月例会担当 大島吉郎
期日
10月18日(日)
時間
18:00~20:00
発表者
趙丹楠(大東文化大学大学院)
テーマ
接触場面における依頼発話行為について
―中国語母語話者、日本人中国語学習者と日本語母語話者の依頼表現を中心に―
開催方式
Zoom
URL
https://zoom.us/j/91626139898?pwd=aUdWY1VNRU1YQmkyMXpSTkNGQU85QT09
ミーティングID:916 2613 9898
パスワード:045260

発表要旨

 本発表では、日本語母語話者と中国語母語話者の依頼発話行為について、両言語の依頼表現における、それぞれの談話構造の相違点について調査した結果を基に、両言語の依頼発話行為の発話パターンを明らかにする。また、日本人中国語学習者が中国語母語話者に依頼する際の発話に出現する誤用を収集し分析することで、接触場面における誤解を回避し、円滑なコミュニケーションを図ることに寄与するとともに、中国語教授者が日本人中国語学習者の依頼表現を指導する際に、効果的なコミュニケーションの方法を提示することを目的とする。

 

2020年度9月月例会開催のご案内(Zoom開催)

2020年8月10日

東アジア国際言語学会会員 各位

月例会担当 大島吉郎
2020年度9月月例会開催のご案内

 会員の皆様におかれましてはご清祥のこととお慶び申し上げます。

 下記要領によりまして、9月月例会を開催致します。

 会員の皆様のご参加をお待ち申し上げます。

発表者
呉 雨(國學院大學文学研究科後期課程)
テーマ
中国語のビジネス文書における副詞
―日本語ビジネス文書における副詞との対照をめぐって―
日時
2020年9月13日(日)午後6時~8時(日本時間)
開催方式
Zoom https://zoom.us/j/96650598482?pwd=SG50ZUUyeHl0clhBYVIwSkRaY21yZz09

要旨

 国際ビジネス事業の発展とともに、日本の企業が続々と海外へ進出し、中国の企業と中国語でのやりとりが必要されるようになった。本稿は、中国語のビジネス文書に使用される副詞の特徴を明らかにし、日本語のビジネス文書における副詞との対照研究を試みる。

 3冊のビジネス文書マニュアル本と2冊のビジネス文書教科書を調査資料とし、使用される中国語の副詞の異なり語数は87語であり、延べ語数は348語であった。本稿では、先行研究の分類方法を参照し、「程度、状態、時間、範囲、限定、否定、可能性、判断、語気、関係」と10種類に分類し、「時間を表す」という分類の副詞が最も多く使用されることが判明した。

 日本語のビジネス文書と比べると、日中のビジネス文書では、口語的な副詞が出現しにくく、相手を配慮する副詞が使用されることが共通している。中国語のビジネス文書における自分の立場から事案を述べることが特徴的であり、日本語のビジネス文書では常に相手の気持ちを優先することと異なる。

 

これより前の実施分については学会月例会(過去実施分)をご覧ください。


Last-modified: 2021-01-08 (金) 14:09:43